ようやく辿り着いた、フリースクール「こもれび」。
しかも市役所から徒歩5分……「なんでやねん!」とツッコミたくなるほどの距離でした。
当時は今よりも「学校に通うのが当たり前」という空気が色濃く、よっぽどの理由がないと利用が難しい時代でした。
それでも、母の強引なまでの突破力がなければ、私はこの場所に辿り着くことさえ叶わなかったでしょう。
今となっては、あの母の「漢気」に感謝しかありません。
初めて足を踏み入れた「こもれび」教室は、想像していたよりもずっと広く、そして驚くほど静かな場所でした。
――メンバーが、少ない。
これだけの空間があるのに、なぜ「利用できない」なんて言われたんだろう。当時の私には、その制度の謎がどうしても腑に落ちませんでした。
それでも、初日を終える頃には、私はここを「学校よりいいかもしれない」と感じていました。
一斉に同じ方向を向くことを求められる学校とは違い、ここは限りなく自由で。
学習するのも、ただ一日をぼーっと過ごすのも自由。
分からないことがあれば指導員の方に聞けばいい。
静かな空間が、私には何より心地よかったのです。
ただ、
室内はどこか殺風景で、窓から見える外の世界は、高いフェンスに囲まれていて、
外の世界から遮断された空間に追いやられているような感覚にもなりました。
自由でもあり、同時に閉鎖的な気配もある。
フェンス越しに揺れる草木を眺めながら、
子供心にひっそりと何とも形容しがたい気持ちを感じていました。
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